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インシデントレスポンスとは

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インシデントレスポンスとは、セキュリティ事故 (インシデント) が発生した際に被害を最小化し、迅速に復旧するための組織的な対応プロセスです。 NIST SP 800-61 では「準備」「検知・分析」「封じ込め・根絶・復旧」「事後活動」の 4 フェーズが定義されており、SOC チームが中心となって対応を進めます。 2025 年時点で、ランサムウェア攻撃の増加に伴い、インシデント対応計画の整備は経営課題として認識されています。

対応の速さは準備の段階で決まる

セキュリティインシデントは業務時間内に起きるとは限らず、深夜や休日に発覚することも珍しくありません。そのときの対応の速さを左右するのは、当日の判断力ではなく、事前にどこまで判断を済ませてあるかです。誰を招集するか、何から着手するか、感染が疑われる端末をどの基準で隔離するかがプレイブックとして決めてあれば、担当者は迷わず手順の実行に集中できます。逆にその場で方針から考え始めると、封じ込めが遅れて被害が広がりやすくなります。復旧も同じで、バックアップが日頃から取得・検証されていて初めて、復元は即興ではなく手順になります。訓練を含めた準備フェーズの充実が、結果として対応全体の時間を縮めます。

インシデント対応フロー

準備 (プレイブック整備・連絡体制確立)
検知・分析 (SIEM アラート・影響範囲特定)
封じ込め (ネットワーク隔離・アカウント無効化)
根絶・復旧 (マルウェア除去・システム再構築)
事後活動 (根本原因分析・再発防止策)

4 フェーズの実務

準備フェーズでは、対応手順書 (プレイブック) の整備、連絡体制の確立、フォレンジックツールの準備を行います。検知・分析フェーズでは、SIEM のアラートやユーザーからの報告をトリアージし、影響範囲を特定します。封じ込めでは感染端末のネットワーク隔離、アカウントの無効化などを実施し、根絶ではマルウェアの完全除去とシステムの再構築を行います。事後活動では根本原因分析 (RCA) を実施し、再発防止策を策定します。

よくある誤解と落とし穴

「インシデント対応は IT 部門だけの仕事」という誤解は危険です。広報 (メディア対応)、法務 (個人情報保護法への対応)、経営層 (意思決定) の関与が不可欠で、事前に役割分担を明確にしておく必要があります。また、インシデント発生時にパニックで証拠を消してしまうケースも多く、「まずログを保全する」という原則を全社員に周知しておくことが重要です。データ漏洩対応では、 72 時間以内の当局への報告義務がある場合もあり、時間との戦いになります。

個人レベルでの備え

個人でもアカウント乗っ取りやフィッシング被害は起こり得ます。サービスごとに固有の強力なパスワードを設定して各アカウントを保護し、万が一の漏洩時にはすぐにパスワードを変更できるよう、個人向けインシデント対応の手順を事前に把握しておきましょう。

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