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シャドー ITとは

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シャドー IT とは、組織の IT 部門やセキュリティ部門の承認・管理を経ずに、 従業員が独自に導入・利用する IT サービス、アプリケーション、デバイスの総称です。 個人の Google Drive に業務ファイルを保存する、未承認の SaaS ツールでプロジェクト 管理を行う、私物スマートフォンで業務メールを閲覧するといった行為がすべて シャドー IT に該当します。Gartner の調査では、企業の IT 支出の 30〜40% が IT 部門の把握外で発生しているとされ、コンプライアンスと セキュリティの両面で深刻なリスクをもたらしています。

なぜシャドー IT は発生するのか

シャドー IT の根本原因は、公式ツールと現場ニーズのギャップにあります。 承認プロセスに数週間かかる、公式ツールの UI が使いにくい、必要な機能が 提供されていないといった状況で、従業員は業務効率を優先して非公式な手段に 頼ります。特にリモートワークの普及以降、個人端末や個人契約のクラウドサービスの 業務利用が急増し、IT 部門の可視性がさらに低下しました。

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承認プロセスの遅さ

稟議に数週間。現場は待てずに自力で解決する。

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公式ツールの不満

機能不足や操作性の悪さが非公式ツールへの移行を促す。

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リモートワーク

自宅環境では私物デバイスと個人サービスの境界が曖昧になる。

シャドー IT がもたらすリスク

最大のリスクはデータ漏洩です。IT 部門が把握していないサービスに業務データが 保存されると、退職時のデータ回収、アクセス権の棚卸し、インシデント発生時の 調査がすべて困難になります。クラウドストレージの 個人アカウントに顧客情報が残存したまま放置されるケースは後を絶ちません。 また、未承認サービスがGDPR などの規制に 準拠していない場合、組織全体がコンプライアンス違反のリスクを負います。

CASB による可視化と制御

CASB (Cloud Access Security Broker) は、従業員が利用しているクラウドサービスを 可視化し、ポリシーに基づいて制御するためのソリューションです。ネットワーク トラフィックを分析して未承認の SaaS 利用を検出し、リスクスコアに基づいて アクセスをブロックまたは警告します。IAM と連携させることで、 承認済みサービスへのシングルサインオンを提供しつつ、未承認サービスへの データアップロードを防止する統合的な管理が可能になります。

シャドー IT の管理フロー

CASB で利用状況を可視化
リスク評価・分類
承認 or 代替ツール提供
ポリシー適用・監視

禁止ではなく管理する方針への転換

シャドー IT を一律に禁止するアプローチは現実的ではありません。禁止しても 従業員は別の手段を見つけるだけで、むしろ地下に潜って可視性がさらに低下します。 先進的な組織では「禁止」から「管理」へ方針を転換し、従業員が使いたいツールを 迅速に評価・承認するプロセスを整備しています。セキュリティ要件を満たすツールは 積極的に公式採用し、満たさないツールには同等の機能を持つ承認済み代替を 提供するのが効果的です。

パスワード管理におけるシャドー IT

パスワード管理はシャドー IT の典型的な温床です。企業がパスワードマネージャーを 公式導入していない場合、従業員はブラウザの保存機能、個人契約のパスワード マネージャー、あるいはスプレッドシートやメモ帳で認証情報を管理します。 これらは IT 部門の管理外にあるため、退職時にアカウント情報が回収できない、 共有アカウントのパスワードが個人の端末にだけ保存されているといった問題が 発生します。アクセス制御の 観点からも、組織全体で統一されたパスワード管理基盤の導入が不可欠です。 詳しくはシャドー IT とパスワードリスクの記事を 参照してください。情報セキュリティの関連書籍 (Amazon)も組織のセキュリティ体制構築に役立ちます。

現場での使用例

「CASB を導入したところ、社内で 200 以上の未承認 SaaS が利用されていることが 判明しました。そのうち 30 件に顧客データが保存されており、即座にデータ移行と アカウント閉鎖を実施。同時に、利用頻度の高いツールは迅速審査で公式採用し、 従業員の利便性を維持しながらリスクを大幅に低減できました。」

リモートワーク環境でのセキュリティ対策はリモートワークセキュリティの記事で、 組織全体のセキュリティ基盤づくりはスタートアップのセキュリティチェックリストで 詳しく解説しています。

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